【伝わる文章の書き方】日本一の教科書出版社の編集が大切にしていること
編集の大先輩が放つ、7年後も残る一言
こんにちは、こたつ♀です。
新卒で入社した教科書出版社で、編集の大先輩に言われたことを思い出しました。
「難しいことを、簡単な言葉で伝えられるかどうか、だ」
1年目に「高校地理A」を任せていただきました。
3人の編集者と、執筆いただく大学の教授5~6人くらいで、1冊をつくりあげました。
文科省に提出することまでが、1年目の仕事でした。
その本は、すでに地理Aでは日本で一番シェアがある本でした。
大学の有名な先生が執筆され、編集の大先輩が整え、選ばれている本を、新指導要領に合わせて大改訂するというものでした。
社会人としても右も左もわからず、先輩や先生の名前を覚えるのも手いっぱい。
そんなわたしに、編集として基礎から教えていただいた先輩とは、会社を辞めて7年近く経つ今も、毎年年賀状を送らせていただいています。
その先輩からいただいた一言を、ふと思い出しました。
今でも、文章を書くときはすごく大事にしています。
「難しい言葉に逃げるなよ」
高校生向けの教科書では、難しい言葉を使うと、先輩によく言われました。
「難しい言葉を使って、それっぽい感じにしてはだめだ。」
これって、結局何が言いたいの?
シンプルに、それが学びになるか。
伝わるか。
大学入試試験を作る際、一番シェアがある教科書を中心に、教科書でどう伝えているかを参考に問題作成をすると聞いたことがあります。
わたしたちが間違うと、それで学ぶ何万人の生徒が間違う。
そういう自負をもって、仕事に臨んでいる先輩方を見て、かっこいいなと思いました。
その仕事がどこに繋がっているのか。
先の先の先を見て、仕事をする。
文科省が求めるものと、学校の先生方が求めるものと、社内の社長や部長が求めるもの。
それが一致しなくて、紙面を差し替えた時、執筆いただく大学の先生を怒らせてしまったこともりました。
一語も大切に、かなりの時間と労力をかけてこの紙面をつくったのに、題材ごと変えるってどういうことか。
ごもっともだと思います。
編集部長が神奈川までその著者に謝りに行った時の罪悪感を、今でも覚えています。
最後の最後まで、色んな意見の中を超えて出来上がった本には、すごく愛着がありました。わたしの中で、大切な仕事のひとつです。
これからも、大切だと思える仕事をしていきたいなと思います。
そんなことを振り返る日でした。
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